先週末は、アートデイズ。
土曜日は、何だかとっても日本画が見たくなって、『
山種美術館』へ。
ゴールデンウィークのスペインで、ヨーロッパとイスラム文化の強迫的なまでの装飾に触れて、
いささか食傷気味だったので、「余白の美」を感じたかったのかもしれない。
ちょうど『美しき日本の原風景-川合玉堂・奥田元宋・東山魁夷-』の開催初日でした。
玉堂も魁夷も好きな画家さんなので、嬉しい。
特に玉堂の、新緑や春雨を描いた作品は、ざわざわという葉ずれの音や
さぁっと降り出した雨の匂いが感じられるようで素敵です。
「日本の原風景」というタイトルの通り、日本人の五感に染みついているものを
呼び覚ますような作品ばかりでした。
潤うなぁ。
見終わってから、喫茶スペースで一休み。
展示作品をイメージした和菓子がメニューに出ていて、その美しさにやられて、
一休みせずにはいられなかった、というか。
どれにするか迷って、お抹茶と「水のほとり」のセットにしました。
こし餡の上に青もみじを散らした錦玉寒。
和菓子は、世界に誇れる芸術だなぁ、としみじみ思う。
あ、でも、お味の方は、私には甘みが強かったです。ほんのり甘い位の方が好き。
日曜は、4月に京都から神奈川に帰って来た友人Aちゃんと、
国立新美術館へ。
こちらは、『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』。
副題は、「印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション」
西洋画はあまり好んで見に行かないのですが、印象派は別。
モネとかマネとか大好きです。
印象派以前のみっちり重みのある絵に比べて、明るく抜け感のある所が好きなのです。
でも、「奇跡」って、言い過ぎじゃないだろうかね。
今回は、チケットやポスターにもなっている、マネの「鉄道」、
モネの「日傘の女性、モネ夫人と息子」、ルノワールの「踊り子」、ゴッホの「自画像」など、
よく知られている作品も多く、見応えがあります。
さらに、展示として面白いと思ったのは、「紙の上の印象派」というセクション。
素描や版画などが数多く出展されています。
セザンヌの自画像スケッチやゼラニウムを描いた習作、ルノワールの「田舎のダンス」の下絵など
普段見ることのない作品が並び、興味深い。
それから、スーラやラトゥール、バジール、カサットといった、私が今まであまり
気にしていなかった画家達の作品の良さに気付けたのも、嬉しいことでした。
特にスーラは、もっと色んな作品を見てみたい。
国立新美術館は、建物自体も面白い。
そちこちに置いてある、椅子もお洒落なものばかり。
素敵だ、と思いつつもハイソサエティな雰囲気に、ちょっと気後れしたりする。
谷中に戻って、商店街を歩いているとほっとする。
谷中は私の原風景なのかもしれない。